L'Arc-en-Ciel(ラルク・アン・シエル)アンオフィシャルファンサイト
どこまでも感覚的に、今この瞬間私の中にある私だけの「色彩」を書き残そうと思います。 Tales of L'Arc-en-Ciel ---L'Arc物語プロローグ〜虹の湧いた大地DUNEは「砂丘」(英語) / Tierraは「大地」(スペイン語) 砂丘は乾いていた。月も白々と冷めていた。砂の中で手に触れたプレシャスストーンの感触には、若い猛りと苦味があった。砂の中から水が湧いた。水底はゆらゆらと青く光った。白い小石を芯に所々渦が生まれ、ゆっくり流れ穏やかに広がった。さらさらした光が水のおもてにまぶされた。 L'Arcの足元には「大地」がある。 L'ArcはDUNEの白い砂とTierraで湧いた水を苗床に、どんどん幹を伸ばし太陽を目指した。両手を水平にどこまでも遠くを見つめ四方八方枝葉を広げた。誰よりも高く空へと近づく、輝きを集め光を求める。樹は大きくなった。幹は太く枝は強く葉は鮮やかで眩しい。彼らは上を見続ける、空は青い、光は白い。彼らは虹のように高い。 この樹の根元は透明な水につかっている。じっと見つめていると白い砂が微かに流れる。耳を澄ますと光や影の零れ落ちる音が聞こえてくる。虹はここから空を目指したの。樹が倒れないのは「大地」のおかげ。 私はこんな大地を愛してる。L'Arcがとうの昔に突き抜けてしまった、揺らめく水の感触。幹に寄りかかり臍まで水につかり、手のひらで水面に浮かぶ光のかけら達をもてあそぶ。ばしゃばしゃ。きらきら。そのまま上を見上げたら、ああ、彼らはあんなに高く…遠くにいるわ。 虹の終わりを誰も知らない。彼らがいつか見つけるかもしれない、まだ、誰にも分からない。 虹が世界に対称な弧を描くのなら・・・。 高く高く上昇した後、彼らははじまりに帰ってくるかもしれない。 白い砂と青い水の土壌、虹の湧いた大地へ。 飛翔の予感heavenlyは「天国のように美しい」(英語) / Trueは「真実の」(英語) 天は開かれた。 濃紺の宇宙に色彩が射す。朝が地上に降り注ぐ。夢や希望や未来という名の花々が一斉に咲き乱れる。幸福は赤や黄や緑や紫の色をして、そこかしこに見え隠れする。浅瀬に落ちた光は水面を貫き、空に波紋を立てる。・・・虹が湧いた。世界に散らばる輝きを拾い集めながら、彼らは大地を離れ、高みを目指した。 L'Arcは風にあおられ高く舞い上がる白い羽のようだった。大地を見下ろし再び天を見上げると、これまでの、そしてこれからの軌道をはっきりと意識することが出来た。彼らの音は彩度を増し、旋律は暖かな風のように自由になった。世界は白い光に包まれ、それは未来そのものであるかのように見えた。 次第に目が光に慣れると彼らはさらに見た。光の浮かび上げる世界の輪郭、沢山の「嘘」と一つだけの「真実」。虹色の幸福、ホンモノはどれ?彼らは太陽を睨んだ、網膜に痛みすら感じた。まだ高く飛翔できる予感があった。 I feel heavenly is the earth―and come to know―where lies and truth exist. heavenlyとTrueからは、飛翔する彼らの、幸福や希望やとまどいや痛みが伝わってくる。「世界は天国のように綺麗だった、でも真実が知りたい。」・・・彼らの若く貪欲な音は、今も私を離さない。 高く、もっと高く。一心不乱な彼らの熱は、さらなる上昇気流を生み、彼らを天へと押し上げる。 無視できないほどの大きな虹が架かるまで、あと少し。 垂直の虹HEARTは「心臓、心」(英語) 虹を見た。けれど刹那、影がよぎり虹は消えた。残された空には、零れたインクが滲んでいった。 涙が空から幾筋も幾筋も流れ落ち、霧となった。湿気た空気が低く大地に堆積し、秒針の音は憂鬱そうに薄もやの中にこだました。誰もが滲む空を見上げた。虹は光を待っていた。 涙はどこへ流れ着く?願いはどこへたどり着く?虹はどこへ向かうのか? 「全ては真実と共に」そう聞こえた。 …to your heart… それが彼らの答えだった。 雲の切れ目から薄く光が射し、視界が晴れた。雨上がりの空に咲いた垂直の虹を、もはや誰も、疑うことは無かった。 HEARTはL'Arc復活の証明。過去を裂いて光を掴もうとする彼らの意思を感じる。これまでのような独りよがりな音は無い。時の奏でた想いは私達の心へ残らず注がれ、彼らの輝きと共に溢れ出す。 「世界とつながりたい」…彼らはそう願うようになった。傷も痛みも涙さえも混ざり合い自信となった。 それは時代の重力によるものだったのかもしれない。 垂直の虹はゆるやかに、弧を描き始める。 イカロスの翼rayは「光線」(英語) / arkは「箱舟」(英語) I want to fly, waiting for sunrise 時が来た。新しい朝の歌。目覚めの鳥よ、羽ばたくのは、今。 光が射す、遠い未来から、光が射す。 さあ、一緒に乗り込もう、怖くは無い。約束の地が神の嘘なら、切り拓けばいいさ。僕らの舟に定員はない、箱舟に席をあげる、君の席は、ここ。 夜明けの空に虹が架かった。天球を二つに割る大きなアーチ。未来へと貫いて、虹は疑う事無く、人々の手を引っ張った。「僕を信じて光の中へ!」 rayarkを出した当時、その輝きには目も眩んだ。光に導かれ、未来にさえ行けそうだった。誰もにそう信じさせる力が、当時の彼らにはあった。燃え尽きても構わないと言わんばかりに、一瞬一瞬を精一杯輝いては弾け、大地に光を降らせた。L'Arcが誰よりも空へ近づいた瞬間だった。 虹はこのまま太陽に届くかと思われた。彼らの目の前で、太陽は焦げ付くようだった。 彼ら自身の羽がもはや溶け出そうとしていたなんて、眩しさと快感の中では誰も、気付いてあげられなかった。 彼らさえ、熱にやられて、気付くはずも無かった。 イカロスとは勇敢にも太陽へと手を伸ばした命のことだ。 When did you last SMILE ?REALは「現実」(英語) / SMILEは「笑顔」(×_×) 太陽は次第に膨張し彼らの視界を覆った。大きすぎて、目指していた点も見失うほどだった。幻暈で太陽もダブって見えた。渇いた世紀末、ふと見下ろせばそこに現実があった。なんだ…嘘も真実も、幸も不幸も、ひっくるめての現実か。そして祈った。現実の中で見つかりますよう、一人一人の新しい世紀が。 一瞬…世界が傾き、羽が宙を舞った。彼らはその時、翼の疲弊を知った。高く、速く、飛びすぎたんだ―色彩の帯をほどき数条に分かれながら、虹は静かに、蒼穹の中へと溶けていった。光の残像だけが、いつまでも目の奥でひりひりした。 時代は歯をひとつ欠いた歯車のように、動き続ける。かた、カタ、…かた、… … … (×_×) ……?? 「ココロで見てよ、君が笑えば、笑顔に見える、君が泣けば、―。…ねえ、」一瞬だった。 「最近、笑ってる?」驚きなんてほんの一瞬。 感傷に浸る私達の方が馬鹿に見えるくらい、彼らは満面のスマイルで現れた。もう一度、空に大輪が咲いた。向日葵のように揺ぎ無い花。彼らはもう太陽を目指さない。太陽を越えたところに未来があるって分かったから。そしてもう一度気付くんだ、そんな飛べなくても、朝は平等に降り注ぐんだ、って。鮮やかに! L'Arcを聴けば、スマイル君も笑顔に見える。笑って笑ってもっとよもっと。 「さあ、今!スタートを切る時!」―どこまでも舞い上がる、追い風が吹く。空は白く、眩しい。 エピローグ〜祝福の花虹が咲く 天の祝福―Amen, Alleluia 天が開く さあ、踏み出して 「ハレルヤ」 ---歌詞以外からの単語・イメージ引用--- 2005/09/10 |