L'Arc-en-Ciel(ラルク・アン・シエル)アンオフィシャルファンサイト
READY STEADY GO ---「SMILE」収録
第3期始動!胸の奥で強く打ち出す鼓動を掌で押さえ、スタート地点に臨む。じっと前だけ睨み付け、ギラギラと瞳ばかり輝いて。「準備はいいか!誰にも俺を引き止めさせはしない!俺に幸運を!前だけを見るんだ!」そう自分に言い聞かせ、そして― 「Let's get started READY STEADY GO!」 初っ端からいきなり全力疾走。余力を残そうなんて甘さは微塵もありません。一直線に目指す場所へ駆け抜けていきます。風も爽快にすり抜けて群集には目もくれず、熱く照らす太陽に身じろぎもしない。 RSGは2年5ヶ月ぶりのシングル、長い間沈黙したままだったL'Arcがその静寂を破ったという意味で、ファンにとっては忘れられない一曲となりました。・・・皆待っていた、彼らを信じていたからこそ待っていられた。誰もがL'Arcの復活を祈ってはいましたが、誰も強要したくはありませんでした。彼ら自身がL'Arcとしての答えを見つけて、そこに賭ける価値をもう一度強気で見せ付けてくれるのを待っていたのです。そして、1998年、第2期始動時にあたっての彼らの答えが「虹」であったように、2004年、第3期始動の答えは「RSG」の中にありました。 「Please TRUST ME」 立ち止まってなんかいられない、声が聞こえる、そこまで行くから、「僕を信じて」。 何がL'Arcを止めていたのかkenちゃんがバンドの止まった時期をこう振り返ります。 ダイヤの原石を拾い集めながらメンバーと一緒に磨く感覚・・・若いときは時間も沢山あった、動きながらも拾って拾って・・・で、拾う時間がなくなったところに止まったという・・・ さらにkenちゃんは、疲労と混乱の中、バンドがゆるゆると止まって行った当時の心境を語りました。 何がどうなってこうなってるのか一つひとつの仕切りが意味不明で、意味不明なものに力を込めることが難しかった 瞳の住人はもともと休止前からあった曲です。詞に込めた思いをhydeが打ち明けます。 自分が本当に行きたいところってどこなんだろう、どこに行くためにこんな忙しい思いをしてるんだろう、果たして今行ってる道は目標に向かってるんだろうか? リーダーは至って冷静。 理由も一つじゃないんですよ、レコード会社と所属事務所の金銭トラブルに巻き込まれたり・・・その他、「契約更新にあたって交渉のねじれ・こじれ」といった要素もあるとか。とにもかくにも動き出したL'Arcにとって原因究明は意味がありません。こんなkenちゃんのコメントが。 走っている方向が間違いであろうがなかろうが、走る速度が速ければ大丈夫なんだ、って "活動休止"という憂鬱な空白を、びっくりするほど感じさせない彼らの今の勢いさえあれば、もうそれだけで不安なんてありません。 words〜hydeを聴く〜ラルクとして始めるにあたって成長していないといやだったから 音にしても詞にしても、この曲の力強さはhydeがソロをやらなければ生まれなかっただろうと思います。RSGのスピード感は、hydeが「テンポをあげよう」と提案しなければ生まれなかっただろうし、特に詞の傾向は「ガラリ」と変わりました。かつては希望を抱いてはいても、掴みかかろうかという勢いはありませんでした。世の中の矛盾に唾吐き掛けてはいても、その矛盾を超えたところに自ら理想を築き上げてやろうという建設的な姿勢もありませんでした。hydeは今、現実を在りのままに受容した上で協調を図ろうという大人な態度でもって、かつて無いほど強い言葉を紡ぎ出してきます。 「あてにならない地図焼いてしまえばいいさ 埋もれた真実この掌で掴み取ろう」 いつまでもオロオロしてちゃいけない。今手にしているものが不安なら、自分の手で焼いちゃえばいい。そして手を伸ばして掴み取ればいい。掴みたいものを掴めばいい。 メンバーlessバージョンRSGシングルCDにはカップリング曲の無い代わりに、メンバーの各パートをそれぞれ除いた、計4つの「メンバーlessバージョン」が収録されています。これがまた面白い!一つでもパートが抜けると、こんなにも曲ってフヌケになるんだなぁーと改めて感じさせられます。 このlessバージョン、面白い演出だと思っていたら、ただの思いつきから始まったことらしいです。ゆっきーのドラム練習用に作ったオケ、そういうのをシングルにいれたら面白いんじゃないか、という話がスタッフから持ち上がったのだとか。 でもあおりには、復活に先立ち、メンバー一人一人の重要性を再確認しているように聴こえてきます。誰が抜けても成立しない、一人でもいないとL'Arcじゃないって。 メンバーそれぞれがソロ活動を行っている中で、今更元の鞘に戻る意味。一人一人独立して活動も出来る今、わざわざ4人でやる価値。ファンにとっても、そして彼らにとっても「L'Arc」が必要な理由。 CDを聴けば分かります。この4人が集まるからこそ表現できる世界。「L'Arc」じゃなきゃ駄目な音がここにあるんだって。 一人じゃ起こせない奇蹟をそれでも起こすためにはやっぱり「L'Arc」が必要なんだと、lessバージョンの「不足感」が訴えます。 4人が集まることでこの4人にしか起こせない「化学反応」を起こしてみたい・・・インタービューで度々hydeが口にする"化学反応"という言葉の意味を、改めて噛み締めます。 2005/09/23 |