L'Arc-en-Ciel(ラルク・アン・シエル)アンオフィシャルファンサイト

静かの海で ---「heavenly」収録


Heavenly is the Earth

feel heavenly feel heavenly―僕の願いはそこにある
You would dance You would dance―君が踊ってくれるなら
I feel heavenly―光にふれてく・・・ふれてゆけば

濃紺の夜明け、天が開く、僕の願い、君が踊ってくれるなら―

I feel heavenly, heavenly is the earth―
where you would dance, where I was born, which is floating in the heaven

君が息づく、幸せに満ちて、君が笑う、ただそれだけで
・・・―光にふれる、ふれてゆく―願いはそこに、僕はここに

静かの海に残されたもの

は地球にいつも同じ面を向けながらグルグル地球の周りを廻っている衛星です。月表面の、比較的なめらかで黒っぽく見える部分を「海」と呼びます(水はありません)。地球から見える面には全部で11の「海」があり、このうち静かの海は、北半球に見られる青っぽい平らな土地を指します。(月の北半球には氷の海、雨の海、晴れの海、静かの海、危難の海、蒸気の海、嵐の海が、南半球には豊かの海、神酒の海、雲の海、しめりの海があります)

「静かの海」は、アポロ11号から切り離された月着陸船イーグルが、1969年7月21日に人類史上初めての月面着陸を行った場所として有名です。月面に歴史的な第1歩を印したアームストロング船長の言葉があります。

“That's one small step for man, one giant leap for mankind.”
一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類のためには大きな飛躍である

そして月には次のような言葉の刻まれた碑も残されています。

"Here men from the planet Earth first set foot on the Moon on July,1969 AD.
We came in peace for all mankind."
1969年7月地球より訪れた人類がここに第一歩をしるす。我々は全ての人類の為、平和の名のもとやってきた。

着陸から21時間36分後、着陸船イーグルの上昇部は月面を離れ、周回する指令・機械船コロンビアにドッキング。人類初の月面着陸を果たした人間達は、着陸船の一部と人類の歴史的足跡を静かの海に残し、月を後にしました。

こうして1960年代中に"アメリカ"の手で月に人間をやる、という「アポロ計画」は成功しました。冷戦下で旧ソ連に対抗し莫大な資金を投入されて行われた政治的意味合いの強いアメリカの月面着陸でしたが、この偉大な試みの成功は、結果として平和的な宇宙開発と科学的発展をもたらしました。

人類の平和を目指し月に降り立った人間がこの時月に残してきたものとは、「宇宙に対する希望」であるとは言えないでしょうか。それが月に在る限り、私たちは平和の名のもと、宇宙の先に人類の未来を目指すことが出来るのです。

words〜hydeを聴く〜

「一人残されて静かの海にいる」

この曲は、人類初の月面着陸時、月に残された着陸船の気持ちを歌った歌だそうです。月を見上げてみてください。1969年人類の手によって静かの海に残された着陸船は、今も変わらず地球を見下ろしています。当時2人の人間と一緒に見た青く浮かぶ星を、今は一人で見下ろしているのです。

「やがて夜が明けてふれてゆく光へふれてふれてふれてゆけば」

この「ふれて」という表現には息も呑みます。続くfeel heavenlyのfeelという単語には「感じる」という訳以外に、「触れる」という"触感"に限定した訳を当てることがあります。ここでhydeは、「ふれて」とひらがな表記することでfeelにこの二つの意味を持たせようとしています。光をただ見てそこにあるのを「感じる」だけでなく、もっともっと近く、触れられそうなほど確かに「感じて」いるのです。今のところ「触れられるほどに確かな光」を、静かの海から「感じる」ことの出来たのは、当時月に降り立った2人の人間だけです。

「青く浮かび上がる君のいる場所 / 僕の生まれた場所青く浮かんで」

言うまでもなく青い惑星地球のことです。「君の生まれた場所」と歌うhydeは生き生きとしてとても嬉しそうですが、「僕の生まれた場所」とつぶやくhydeは寂しそうです。

「You would dance・・・I feel heavenly」

ここで「dancd」はただ「踊る」だけでなく、躍動感生命感に溢れる様を表現している、と捉えると自然です。

君は帰ってしまったけど、僕の故郷でもある青い星できっと、沢山笑って沢山踊って、幸せに生きてくれてるんだね。それを思うだけで僕は、故郷の星を一人、この寂しさの中で見下ろし続けるとしても、素直に「美しい」って思えるんだよ。・・・「君が踊ってくれるから」、僕はこの地球を、なんて綺麗な星だって、思うことが出来るんだ、まるで「天国のように綺麗だ」、って・・・

「君が笑うだけで僕は嬉しくていつまでも僕はここにいるよ」

冷たい月の上で一人、私達人類をそんな思いで見つめてくれている存在を思うと・・・。人類が月に残した碑文の言葉が胸に沁みます。

"We came in peace for all mankind."全人類の平和の為に我々はやってきた

月に残されこの碑文と共に地球を見守ってくれている「僕」は、平和への第一歩を人間が踏み出したことの象徴です。きっと夜空の向こう側で思っているはずです。

"君と、そして青い星に息づく全ての人類に、いつか"ホントウ"の平和が訪れるのなら、
僕はこの夜が明けるまで、喜んでいつまでもここにいるよ"、と。

参考写真

左から・・・青い線で囲んだところが静かの海→L'Arcファンおなじみ月面の足跡→足跡を残しているところ→チタニウム含有量が多いため青っぽい静かの海→月着陸船イーグル、こいつの一部が月に残ってる

(参照ページ〜日本惑星協会/静かの海、晴れの海/The Moon Age Calendar/月面観光案内)


2007/12/29
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